任意保険には種類がある?
そもそもこの3つは何なのか?という事ですが、これは「セット保険のタイプに対する呼び名」です。
各種類に意味が割り振られていて、分類分けされているのです。
ここではこの「SAP」「PAP」「BAP」について説明します。
任意で入る自動車保険の種類「SAP」「PAP」「BAP」
自動車の任意保険は、万が一の事故ときに無制限で補償が受けられるなど、安心して車に乗るにはとてもいい保険です。
自動車保険は基本的に「対人事故」・「対物事故」・「搭乗者傷害」・「自損事故」・「車両事故」・「保険に入ってない者との事故の補償」・「人身傷害」など、各補償を組み合わせセットにして契約されています。
多くの保険会社があり、補償内容は同じようでも細かいところで異なっている場合もあります。
強制で加入している自賠責保険だけでは、最低限度の補償しかないため、重篤な事故を起こした場合も想定し、しっかりとカバーできるようにできるのが任意加入の自動車保険です。
そういった保険のセットごとに「SAP」「PAP」「BAP」というような呼び名がついているのです。
そのほかにもドライバー自身が車を所有しておらず、免許を持っている場合に入る「ドライバー保険」というものがあり、おおきく分けてこれら4つの種類があります。
ここではその中の「SAP」「PAP」「BAP」について、その違いなどについて説明します。
- SAP・・・自家用自動車総合保険
- PAP・・・自動車総合保険
- BAP・・・一般自動車保険
- ドライバー保険・・・自動車運転者損害賠償責任保険
「SAP」「PAP」「BAP」各保険の説明
セット保険の種類による補償内容
保険の種類 | SAP | PAP | BAP | ドライバー保険 |
---|---|---|---|---|
補償内容 | 対人賠償 対物賠償 搭乗者傷害 自損事故 無保険車傷害 車両保険 |
対人賠償 対物賠償 搭乗者傷害 自損事故 無保険車傷害 |
対人賠償 対物賠償 車両保険 |
対人賠償 対物賠償 |
保険の特徴 | 総合保険 | 車両保険が任意 | 必要な補償を選択 | ドライバー自身にかける保険 |
「SAP」とは?
「SAP」とはスペシャル・オートモービル・ポリシー(Special Automobile Policy)の頭文字をとり呼ばれています。
日本語でいうところの「自家用自動車総合保険」がこの「SAP」。
先ほど挙げた補償の「人身傷害補償保険」をのぞいたすべての補償をセットしたものがこれです。
ごく一般的な乗用車にぴったりな保険が「SAP」という感じですね。
- 「SAP」の補償内容 … 対人賠償・対物賠償・搭乗者傷害・自損事故・無保険車傷害・車両保険
- 「SAP」に加入できる車 … 自家用普通乗用車・軽四輪乗用車・小型乗用車・小型貨物車・軽四輪貨物車
人身傷害補償がついていないというと、なんとなく心配と思うです。
これは「搭乗者障害」でまかなえる面があるため、一般的なドライバーの保険としてはちょうどいいセットとされているんです。
またこの「SAP」のポイントといえるのが、保険会社が対物や対人事故の際、事故の示談交渉をまるごと引き受けてくれる、ということ。
交通事故を起こしたとき大変なのが、事故後の連絡や過失割合、場合によってはもめもめてしまって、精神的にもダメージを受けること。
そういった部分を代行してもらえる、のが、「SAP」が支持されている最も大きなポイントといえるのではと思います。
少し気を付けなければならないのは、一般の乗用車はこの保険の加入対象となるのですが、「業務用の車」すなわちトラックなどの商用車、またバイクなどは、加入ができない場合があります。
このSAPは自家用5車種って呼ばれる車が契約の対象になってるから注意が必要です。
自家用5車種というのは、自家用普通乗用車、軽四輪乗用車、小型乗用車、小型貨物車、軽四輪貨物車の5種類の車種のことです。
「PAP」とは?
「PAP」とはパッケージ・オートモービル・ポリシー(Package Automobvile Policy)の頭文字をとったもの。
日本語では「自家用自動車保険」と言われるものです。
先ほどの「SAP」は一般の乗用車が加入できる保険でしたが、この「PAP」は「SAP」では加入ができないタイプだった「業務用」のトラックだとか、バイクなども加入ができるものです。
保険でセットできる範囲としては、商用車などにとっては充分なものです。
- 「PAP」の補償内容 … 対人賠償・対物賠償・搭乗者傷害・自損事故・無保険車傷害
- 「PAP」に加入できる車 … トラックなど商用で使われる車・レンタカー・バイク
これを確認して、「車両保険」が入っていないのが気になったかたがいるかもしれませんね。
「PAP」では車両保険はかけられなくなっているため、どうしてもかけたい、という場合は、別途契約する必要があります。
また「PAP」の場合も、事故の際の示談交渉は行ってくれるのですが、「SAP」に比べるとやや範囲が狭くなります。
「対人事故」の場合に限る、というケースが一般的となっているようです。
「SAP」と比較すると、補償範囲は狭い目な感じなのが「PAP」といったところでしょうか。
また基本的なセットとしては、車両保険や示談交渉代行サービスは付いていませんが、希望すれば別途附帯させることはできます。
SAPよりも少し選択の幅を広く持たせたい、という場合にはこちらのPAPがおすすですね。
あとバイクやレンタカーでの契約もできるのも特徴のひとつです。
「BAP」とは?
「BAP」とはベーシック・オートモービル・ポリシー(Basic Automobile Policy)の頭文字からついたもの。
日本語では「一般自動車保険」と呼ばれるものがこれです。
ざっくりいうなら、「とにかく保険料を安く、念のため入りたい」という考えの方にあう保険。
「BAP」の場合、「自分に必要だと思う補償だけをチョイス」して加入します。
- 「BAP」の補償内容 … 対人補償・対物補償・車両保険のうち1つが必須、その他は選択して加入
- 「BAP」に加入できる車 … 用途や車種に関係なく加入が可能
対人、対物、車両保険のうちのひとつ以上加入していれば、その他の補償については必要であれば加入すればいいですし、必要でなければ、外していいということなんですね。
このため、保険料は抑えて、できるだけ相手方への補償だけはしっかり、という考えで組み合わせている方が多いようです。
保険料が安くなるから、という目先のことだけを見てチョイスしてしまうと、実際に事故に遭ったときにしまった、というケースもありえますのでそこは注意が必要ですね。
また、この「BAP」にはほとんどのもので「示談交渉」の代行がついてないので、そのような保険で事故を起こしてしまうと、示談交渉についてすべて自分で進めなければならなくなりますので、これについても注意しましょう。
BAPのもうひとつの特徴は車種や用途に制限がなという事もあげられ、どんな車でもこのBAPの契約は可能です。
選び方のバリエーションが一番広くなるのは当然このBAPですが、、注意したいのはいろいろいくつも補償を付けていると、結局PAPやSAPと同じ保険料になったり逆に高くなってしまったりもあるから、よくそれぞれを比較してみて検討しなければなりません。
まとめ
任意加入の自動車保険は、大きく分けて4つの種類があることが分かりましたか?
よくテレビのCMなどで見かける通販型の保険は、「SAP」ですね。
セットできる補償内容がこの種類によって違っていることをあらかじめ理解しておき、自分に必要な保険を考えると良いのではないでしょうか。
また自動車保険とは、万が一、大変な事故を起こしたときに、しっかりとカバーしてくれるかどうかが最も重要。
コストを抑えたい、というのも理解はできますが、必要な補償はしっかりとつけ、適切に備えることが大切です。