●4ナンバー車の自動車保険を検討するときは、「趣味で使う場合」と「仕事で使う場合」で選び方が少し変わってきます。たとえば、ハイエースのような人気車種も、使い方によって保険内容が変わることもあるんです。
この記事では、用途ごとのポイントや注意点をわかりやすくご紹介していきますね。
- 4ナンバー車ってどんな車?特徴と条件をチェック
- 車検は1年ごと?維持費との関係は?
- 任意保険を少しでも安くしたいときのコツ
- 業務用と家庭用、どう違う?使い方で変わる保険内容
※この記事では、「白ナンバーの自家用小型貨物車(4ナンバー)」について解説しています。
4ナンバー車といえば、やっぱりトヨタのハイエースを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。このタイプの車は、車検が毎年必要という特徴がありますが、そのぶん税金は年額を分割して支払う形になるので、トータルの負担感としてはそこまで大きくないんですよ。
任意保険を考える前にナンバープレートをチェック!
はじめまして。35歳の男です。
愛車はトヨタ・ハイエース。
夏は車中泊をしながら渓流釣りやキャンプを楽しみ、冬はスノーボードに出かけるのが定番です。
そんな趣味の相棒としても、仕事の現場でも使える車として、次に買う候補はバンタイプの1台。
荷物がたくさん積めて、家族での買い物にも使える車が理想なんですよね。
今、気になっているのはハイエース。
4ナンバーの「標準ボディ・標準ルーフ」タイプか、1ナンバーになる「ワイドボディ」や「ハイルーフ」「スーパーロング」タイプも選択肢に入れています。
ほかには日産のキャラバンも候補のひとつです。
ただ、ちょっと気になる話を聞いたんです。
「4ナンバーのハイエースバンは、自動車保険料が高くなることがある」と。
同じハイエースでも、5ナンバーのワゴンタイプと比べて、保険料にどのくらい差があるのか、正直ちょっと心配です。
趣味にも仕事にも使えるハイエースって、本当にいい車ですよね。
今回は、そんなハイエースの「4ナンバー車と5ナンバー車で、任意保険料がどのくらい変わるのか?」について、詳しく見ていきたいと思います!
こちらの記事では、【ハイエースの自動車保険】について詳しく紹介しています。
※保険料や補償内容の違いもわかりやすく解説していますよ。
4ナンバーである小型貨物車とは?基本をしっかりチェック!
まずは、4ナンバー車の基本的な規格について確認しておきましょう。
「小型貨物車」といっても、明確な基準があるんです。
「小型」貨物車とは?
自動車のナンバーには分類があり、4ナンバーは「小型貨物車」に該当します。
これは、荷物を運ぶことを主な目的とした車のうち、一定のサイズ・排気量の範囲に収まっている車を指します。
貨物車両ってどういう車?
貨物車には、以下の条件を満たしている必要があります。
- 運転席より後方の床面積の過半数が貨物スペースであること
- 貨物の積載面積が1平方メートル以上あること
- 荷物の積み下ろし口(開口部)が、縦横いずれも80cm以上あること
このような基準に適合した車が、正式に「貨物車」として扱われます。

●後部座席に人を乗せる場合
「後部座席の人間よりも貨物の質量が大きい事」「座席と貨物の間に保護となる仕切りが必用」という条件が必要になります。
「バン」と「貨物車」は同じ意味?
車検証の【車体の形状】箇所に「バン・ステーションワゴン」と書かれている内容がベースとなります。
「バン(van)」は、屋根付きの箱型貨物車のことを指します。いわゆる「商用バン」は、4ナンバーや1ナンバーの貨物登録車が該当します。
一方で、「ステーションワゴン」や「ミニバン」は基本的に乗用車。ワゴンは後部スペースを広げた乗用車で、ミニバンはその車高を高くしたタイプ。つまりどちらも「乗用用途の車(5ナンバーや3ナンバー)」なんですね。
小型貨物車の規格
バンタイプの車が、以下の条件を満たすと「小型貨物車(4ナンバー)」として分類されます。
- 全長:4.7m以下
- 全幅:1.7m以下
- 全高:2.0m以下
- 排気量:2,000cc以下
さらに、車検証に「貨物」と記載されており、リアバンパーに「最大積載量」の表示があることが条件です。
これらを満たすことで、晴れて「4ナンバー車」として登録されます。
4ナンバーと1ナンバーのサイズ比較表
サイズ | 4ナンバー規格 | 1ナンバー規格 |
---|---|---|
全長 | 4,700㎜以下 | 12,000mm以下 |
前幅 | 1,700㎜以下 | 2,500㎜以下 |
高さ | 2,000㎜以下 | 3,800㎜以下 |
4ナンバーは、あくまで「小型」枠に収まる貨物車であるため、サイズの上限が厳しく定められています。
4ナンバー車の維持費と税金ってどう違う?
4ナンバー車には、維持費に関していくつかのメリットがあります。
なかでも大きいのが、「自動車税」や「重量税」が5ナンバーの乗用車よりも安くなることです。
ただし注意点もあり、車検が毎年必要になることや、自賠責保険がやや割高になるといった点は覚えておきたいですね。
自賠責保険料の違い
自賠責(12か月) | 自賠責(24か月) | |
---|---|---|
4ナンバー自家用)小型貨物車 | 18310円 | 29,680円 |
4ナンバー営業用)小型貨物車 | 29,920円 | 54,730円 |
5ナンバー自家用乗用車) | 16,350円 | 27,840円 |
※自家用であっても、貨物登録である4ナンバー車は保険料がやや高く設定されています。
また、営業用(業務使用)の場合はさらに割高になります。
重量税のしくみと違い
重量税は、車両重量に応じて車検時に支払う税金です。
- 5ナンバーや3ナンバーの乗用車は2年ごとの車検
- 4ナンバーの貨物車は毎年車検
つまり、4ナンバーは毎年少額ずつ納めますが、合計額で比較するとやや安めになることが多いです。
車両重量 | 3・5ナンバー(2年分) | 4ナンバー(1年ごと×2年分) |
---|---|---|
〜0.5t | 8,200円 | 4,100円 × 2年 = 8,200円 |
〜1t | 16,400円 | 8,200円 × 2年 = 16,400円 |
〜1.5t | 24,600円 | 6,600円 × 2年 = 13,200円 |
〜2t | 32,800円 | 8,200円 × 2年 = 16,400円 |
※注:車検時に必要な税額です。重量税の安さは、4ナンバーの大きなメリットのひとつです。
車両重量と車両総重量の違いって?
重量税の計算には、「車両重量」と「車両総重量」が関係します。違いは以下の通りです。
- 車両重量:車本体+ガソリン満タン+オイル+冷却水など
- 車両総重量:車両重量+(乗車定員×55kg)+最大積載量+スペアタイヤや工具など
1ナンバー車(中型以上)はこの「車両総重量」で税額が決まります。
自動車税の違いにも注目!
毎年4月1日時点での所有者に課税されるのが「自動車税」です。
こちらも4ナンバーは5ナンバーより安くなる傾向がありますが、計算の基準が異なる点に注意しましょう。
- 5ナンバー(乗用車):排気量ベースで税額が決まる
- 4ナンバー(貨物車):最大積載量ベースで税額が決まる
以下の表をご覧ください。
排気量(乗用車) | 年額(3・5ナンバー) | 最大積載量(貨物車) | 年額(1・4ナンバー) |
---|---|---|---|
〜1.0L | 29,500円 | 〜1t | 8,000円 |
〜1.5L | 34,500円 | 〜2t | 11,500円 |
〜2.0L | 39,500円 | 〜3t | 16,000円 |
〜2.5L | 45,000円 | 〜4t | 20,500円 |
〜3.0L | 51,000円 | 〜5t | 25,500円 |
〜3.5L | 58,000円 | 〜6t | 30,000円 |
このように、排気量が大きい車であっても、4ナンバー(貨物車)で登録すれば税金面では大きなメリットがあるのです。
- 自動車税・重量税は4ナンバーのほうが安い
- 自賠責保険はやや高くなる
- 車検は毎年必要なので、その手間は考慮を
単純な金額だけでなく、使用目的や車検の頻度、保険料のバランスを見てトータルで判断するのがポイントです。
4ナンバー車の任意保険はどう違う?

「4ナンバー車って、保険料が安いって聞いたことがある」そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
たしかに、条件によっては4ナンバー車の任意保険が安くなるケースもあります。
ですが、すべての人にとって4ナンバーが安くなるとは限らないので、使い方や契約方法によって、しっかり比較検討することが大切です。
4ナンバーの自動車保険の特徴
4ナンバー(貨物)と5ナンバー(乗用)を比較すると、4ナンバー車の方が保険料が安く乗れるというイメージがあり、「リスク細分型の保険」で(全年齢条件)で加入するより、「貨物車両」を(全年齢)で加入した方が保険料が安いというのは正しいです。
保険料が安くなるというには条件があり、それに当てはまらない場合はそれ程保険料は変わりません。
4ナンバー車の保険料が安くなるのはこんなとき
次のいずれかに当てはまる場合は、4ナンバー車の任意保険料が安くなることがあります。
- 26歳以下など、若い年齢の方が運転する場合
- 代理店型の自動車保険に加入する場合
これらの条件では、「5ナンバーの乗用車」よりも「4ナンバーの貨物車」のほうが、保険料が抑えられるケースがあるのです。
逆に、保険料が高くなるケースも
一方で、30代や40代など、一般的に保険料が安くなる年齢層では、4ナンバーのほうが割高になることもあります。
これは、貨物車(4ナンバー)には年齢条件が適用されないことが多いためです。
たとえば、普通乗用車では「30歳以上補償」などの年齢条件を設定することで保険料が割引されますが、4ナンバーの貨物車では全年齢補償が基本のため、そのような割引が適用されません。
「代理店型」と「通販型」の違いを理解しよう
自動車保険には、次の2つの契約形態があります。
- 代理店型(対面契約)
- 通販型(ダイレクト型・ネット契約)
それぞれに特徴があります。
【代理店型の特徴】
- 年齢条件が設定できないケースが多く、全年齢対象で割高
- かつては「事業用車両=4ナンバー」とされていたため、保険料が高め
- 若年層(特に20代)は、5ナンバーよりも4ナンバーの方が安くなることもある
元々4ナンバー車は、貨物という事で事業用車両と考えられていました。
仕事で使う前提でしたので、年齢条件の設定が無く保険料が高額になっていました。
また、若い人が運転するなら、「家庭用」の全年齢条件よりも、「事業用」全年齢条件のほうが安かったのです。
【通販型の特徴】
- 年齢条件・運転者限定など、細かな設定が可能
- リスク細分型を採用しており、年齢や運転歴などで保険料が変動
- 30代以上の方には、5ナンバーとほぼ変わらない保険料で4ナンバーにも加入可能
通販型の自動車保険はリスク細分型を目的としているめ、「4ナンバーでも年齢条件を設定が出来る」ようになり、保険料の差はそれ程変わりません。
通販型の特徴として、若い人は割高で、ベテランになる年齢ほど保険料が安くなるという事です。
今は4ナンバー車でも「家庭用自動車保険」に入れます!
以前は、4ナンバーの貨物車は「仕事で使う車」という前提で扱われていたため、通販型保険に加入できないケースが多くありました。
ですが、現在は状況が変わっています。家庭用の使用目的であれば、4ナンバー車でも次のような設定が可能です。
- 年齢条件の設定(30歳以上補償など)
- 運転者の限定(本人・家族限定など)
- 通販型保険への加入
つまり、普通乗用車と同じような保険内容で契約できるようになっているのです。
「4ナンバーだから特別に保険料が高くなる」という事もありません。
まとめ
- 4ナンバー車でも家庭用の自動車保険に加入可能
- 若年層(〜26歳)は、代理店型の4ナンバー車が安くなることも
- 30代以降は、通販型の保険で5ナンバーと同様の条件設定が可能
※「ナンバーの種類」よりも、「保険会社のタイプ」「年齢条件」「使い方」を総合的に見て判断するのがポイントです。
見積もり【実例・見本】ハイエースの4ナンバー・5ナンバーでどれだけ違う?
自動車保険において、年齢条件が設定できるかどうかは保険料に大きく影響します。
- 通販型(ダイレクト型)保険:年齢条件の設定が可能
- 代理店型保険:年齢条件の設定ができない場合が多い
このため、通販型で契約する場合は、4ナンバー(貨物)でも5ナンバー(乗用)でも保険料に大きな差が出にくくなっています。
では、実際の見積もりデータを見てみましょう。
4ナンバーと5ナンバーの保険料を比較
4ナンバーと5ナンバーの自動車保険料の違いを見てみましょう。
ハイエース・ワゴンとバンの見積もり比較


バンは貨物用の(前席と後部座席1列)
ワゴンは後部席3列の10人乗りのタイプです。
比較条件
- 使用者:本人+家族(家族限定)
- 使用目的:業務
- 年齢:36歳
- 等級:14等級/20等級
保険内容
- 対人・対物賠償:無制限
- 車両保険:220万円(一般/車対車限定)
- 無保険車傷害:1億円
- 車両保険免責:1回目5万円/2回目10万円
- 弁護士特約:あり
車種 | ナンバー | 等級 | 保険会社 | フルカバー | エコノミー型 | 車両保険なし |
---|---|---|---|---|---|---|
ハイエース・バン | 4ナンバー | 14等級 | イーデザイン損保 | 96,710円 | 76,480円 | 52,270円 |
ハイエース・ワゴン | 5ナンバー | 14等級 | イーデザイン損保 | 117,980円 | 84,550円 | 58,770円 |
ハイエース・バン | 4ナンバー | 20等級 | 三井ダイレクト | 70,610円 | 54,460円 | 35,420円 |
ハイエース・ワゴン | 5ナンバー | 20等級 | 三井ダイレクト | 70,610円 | 54,460円 | 35,420円 |
相場としては、自家用の4ナンバーは5ナンバーとそれほど変わりません。
等級が高くなればなるほど、4ナンバーと5ナンバーの保険料差は縮まります。
また、通販型ではナンバー種別による明確な差が出にくくなっているのがわかります。
家庭用使用と業務用使用比較

- 契約者年齢:36歳
- 運転者限定:家族限定
- 年齢条件:30歳未満不担保
対物賠償 | 無制限 | 車両保険付き | 220万円 |
対人賠償 | 無制限 | 車両保険 | 一般・車対車限定・無 |
人身傷害 | 1億円 | 車両保険事故負担(免責) | 1回目5万/2回目10万円 |
弁護士特約 | 有り | 等級 | 14等級 |
車種 | 使用用途 | 年間保険料 | エコノミー 車両保険+A | 車両保険なし |
---|---|---|---|---|
ハイエース・バン 4ナンバー | 業務用 | 96,710円 | 76,480円 | 52,270円 |
通勤 | 82,410円 | 65,350円 | 44,920円 | |
日常・レジャー | 66,560円 | 53,000円 | 36,770円 |
※見積実績(イーデザイン損保)
保険加入時のポイント
事業用車両の場合、車両保険に加入しないことが多く、車体の小さな傷を気にせずに乗ることが多くあります。
5ナンバー車とほぼ同じ保険料相場のため、車両保険をつけると車両料率によって保険料が大きく左右されます。
5.まとめ
4ナンバー車の任意保険の注意点と特徴が分かりましたか?
4ナンバー車と5ナンバー車の保険料は、いまでは大きな差はありません。
通販型保険でも加入できるので、いろいろな保険会社から見積もりをとり、ピッタリなプランを探してください。
4ナンバーは、自動車税などの税金面でも5ナンバーより安くなります。けれども、車検を毎年受けなければいけないデメリットもあります。
また、保険料を確認したいん場合「一括見積」を使うのが効率的です。複数社の保険料を見比べることでどの保険会社が一番安いのか一目で分かりますよ!
※複数社の見積もり比較はこちらからできます。