重複する補償に注意!家族で2台以上の契約をする場合の注意点
自動車保険の補償は予算が許すなら、「より手厚く」どのようなトラブルでもカバーできるようにしておきたいもの。
とはいえ、複数台車がある場合、保険の補償が重複し、無駄になっているケースもあります。
ここでは2台以上の自動車保険の契約がある場合の、補償の重複、その注意点などを確認してみましょう。
補償のなかには「一家にひとつでいいもの」がある
万が一の事故やトラブルの際に役立つ自動車保険ですから、手厚くしておくのが安心ですが、補償によっては一家にひとつあればちゃんとカバーされるものがあります。
そういった補償や特約を複数台の車の保険で重複させておくのは、無駄、ということです。
補償が重複してしまう理由は?
複数台車があっても、自動車保険は「1台ずつかける」ものですから、契約車両ごとに補償を充実させたくなります。
でも、補償や特約によっては、契約車両ごとではなく、ひとつで家族皆さんがカバーされるものがある、ということを理解しておらず、一台ずつ同様の補償や特約を付けてしまい、結果的に重複し、無駄になるのです。
重複してしまいがちな補償、特約は?注意点は?
1)人身傷害「車内・車外ともに補償」「車内のみ補償」
人身傷害保険は、補償の範囲の違う契約があります。
「車内・車外ともに補償」の場合、契約車両に乗っていてのケガなどだけでなく、契約車両以外の車に乗っているときの事故や、徒歩や自転車で車と接触してケガしたという場合でも補償されます。
いっぽう「車内のみ補償」の場合は、「契約車両に乗車中のみ」の補償となります。
このように確認すると、「車内・車外ともに補償」のほうが安心ですよね。
そういったことから、複数台車がある場合も、どの保険も「車内・車外ともに補償」としてしまっているケースがあるのですが、この補償は「一家にひとつあればいい」ため、重複は無駄になります。
ただし、「車内・車外ともに補償」としていた保険を解約したり、見直した際に外してしまうと、車外での事故が補償されなくなるので、まめに補償内容は再確認するなどしましょう。
2)個人賠償責任保険
車での事故やトラブルだけでなく、時には日常生活のなかでの不測のトラブルなどで、第三者に賠償する責任が生じることがあります。
最近では自転車で他者にケガをさせただけでも億単位の賠償となった、といったケースも聞きますよね。
こういったさまざまなシーンでの賠償のためのものが「個人賠償責任保険」。
金額も1億円~無制限など、万が一の高額な賠償もカバーできるようになっているのが魅力です。
しかしこれも「一家にひとつ」でご家族全員カバーできるため、複数台の自動車保険に付帯させるのは無駄。
どれかひとつだけに付帯させ、その他はカットすべきですが、補償金額がより高いものを残すようにすべきです。
3)弁護士費用特約
自動車保険は、「示談交渉」のサポートがありますので、万が一の事故で相手方ともめた場合も大丈夫かと考えていたら、実はそうではないケースもあります。
そういった場合や、保険会社が代行できない、自身にまったく過失がない事故での示談交渉などに備えられるのが「弁護士費用特約」です。
車の事故の後の交渉でもめた場合の弁護士費用など、一般的には300万円まで補償されます。
ただこの特約もひとつあればご家族すべてカバーされますので、重複は不要。
とはいえ、保険会社によっては「車の事故のみ」対応できるものと「車の事故以外も対応可能」なものがあるので、詳細を確認し、より広くカバーされているものをひとつだけ残すようにしましょう。
4)ファミリーバイク特約
125cc以下の原付バイクなどがご家庭にある場合、自動車保険に「ファミリーバイク特約」を付けると安心ですね。
ただこれも、さらに原付バイクが複数台あると、その台数分特約をつけないとカバーされないじゃないかと思っているかたも。
仮に2台の自動車、2台の原付が自宅にある場合、どちらの自動車保険にも特約を付けないといけないのでは?と思うですが、この特約はひとつでご家庭にある「複数台のバイク」を補償できますので、いずれかの保険ひとつだけに付帯させるだけにしましょう。
家族で2台以上所有している場合でも、すべての原動機付自転車が対象になります。また、他人から借用した原動機付自転車も対象になります。
重複してしまった補償を解約する時の注意点
うっかり複数ある自動車保険に補償をつけすぎていた、という場合は、保険会社に連絡、あるいはマイページなどですぐ内容変更ができますが、ちょっと注意したいポイントも。
- 補償範囲がより広いものを残す
- 補償金額がより高いものを残す
- 後に保険を乗り換えたり解約したときに改めて全体を見直す必要あり
- 家族構成が変わったときも再確認する必要あり
このようなポイントをしっかりと押さえるようにしましょう。
まとめ 補償される範囲を知り、無駄をなくそう!
自動車保険の補償は必要なものはしっかりつけるべきですが、重複は無駄になります。
補償内容、範囲、補償金額を改めて確認、理解し、必要に応じて付帯、重複で無駄な保険料を払わず済むようにしましょう。